春の三大蛾とは?大型の蛾3種と観察方法を解説

葉にとまるイボタガ

春になると、日本では大型の蛾が活動を始めます。夜の街灯や建物の壁に、大きな蛾が止まっているのを見て驚いたことがある人もいるかもしれません。

昆虫好きの間では、春に見られる代表的な大型の蛾を「春の三大蛾」と呼ぶことがあります。

この記事では、日本で見られる春の三大蛾である イボタガ・エゾヨツメ・オオシモフリスズメ の特徴や観察方法を解説します。

目次

春の三大蛾とは

春の三大蛾とは、春に活動する大型の蛾として知られる3種類の蛾を指す呼び名です。昆虫愛好家の間で使われることがあり、日本の春を代表する蛾として知られています。

体が大きく存在感があり、春の夜に街灯などの灯りに飛来することがあります。条件が合えば、思いがけず出会えることもあります。

春の三大蛾と呼ばれる主な種は次の3種類です。

・イボタガ
・エゾヨツメ
・オオシモフリスズメ

イボタガ

地面に止まるイボタガ

特徴

イボタガは、日本最大級の蛾として知られる大型種です。翅には大きな目玉模様があり、威嚇するとこの模様を強調するように翅を広げます。枯れ葉のような色合いの翅をしており、木の幹に止まると見つけにくいこともあります。

見られる時期

主に 4月〜5月頃 に見られます。資料では3〜6月とされることもあり、地域によって多少前後します。

分布

北海道・本州・四国・九州に分布しています。

見られる環境

・森林
・山地
・林縁
・街灯や自動販売機の灯り

食草

幼虫はモクセイ科の植物を食べます。

・イボタノキ
・ネズミモチ
・キンモクセイ
・ヒイラギモクセイ など

筆者のひとこと

目玉模様を見せることでフクロウなどに擬態していると言われていますが、人間から見るとどこか可愛らしく感じる蛾です。

イボタガは生息域が広く、環境さえそろえば見られるはずなのですが、個人的にはなかなか出会えない印象があります。

いつも観察しているルートがあるのですが、普段は1匹見られれば良い方です。ところがある日だけ10匹ほど見つかったことがあり、年や天気などの条件によって発生状況が変わるのかもしれません。

エゾヨツメ

地面にいるエゾヨツメ

特徴

エゾヨツメはヤママユガ科に属する大型の蛾です。翅には透明な部分があり、四つの模様があることからこの名前が付いています。体も大きく、春に見られる蛾の中では存在感のある種類です。

見られる時期

主に 4月〜5月頃 に見られます。

分布

北海道・本州・四国・九州に分布しています。

見られる環境

・森林
・山地
・林縁
・街灯

食草

幼虫は主に広葉樹を食べます。

・カバノキ類
・ハンノキ類
・ブナ科の樹木 など

筆者のひとこと

エゾヨツメは、今回紹介した3種の中では山地で見かけることが多い印象があります。青い眼状紋の中に「T」の文字のような模様があるのが特徴で、個人的にとても好きな蛾です。

蛾の多くは翅を広げて止まりますが、エゾヨツメは翅を閉じて止まることが多いのも面白いポイントです。

時期になると、山地の街灯やトンネルの灯りに飛来しているのを見かけることがあります。

オオシモフリスズメ

地面にいるオオシモフリスズメ

特徴

オオシモフリスズメはスズメガ科に属する大型の蛾です。灰褐色を基調とした細かな模様があり、前翅の外縁がややギザギザした形になるのが特徴です。体も太く、スズメガらしい迫力のある体型をしています。

見られる時期

主に 3月下旬〜4月頃 に見られる早春の蛾です。年1回、春の限られた時期に活動します。

分布

本州では 東海地方以西、四国、九州に分布しています。

見られる環境

・里山
・林縁
・果樹園周辺
・街灯

灯りに飛来することもあり、春の夜に街灯周辺で見つかることがあります。

食草

幼虫は次の植物を食べます。

・ウメ
・モモ
・アンズ
・スモモ
・サクラ類

筆者のひとこと

オオシモフリスズメを見てみて、まず思ったことは胴体が太すぎるということです。他の蛾とは比べものにならないほど体が太く、胴体の太さだけならトップクラスではないかと思います。

私自身は東日本に住んでいるため、この蛾を見るために西日本の生息地まで行って観察しました。実際に見てみると迫力があり、「これは一度は見ておくべき蛾だな」と感じました。

観察の方法

まず探し方としては、夜の灯りを探す方法が基本です。
街灯や自動販売機、山道の灯りには、春に活動する大型の蛾が飛来することがあります。

春の街灯採集では、気温ももちろん重要ですが、湿度も大きく影響していると感じています。湿度が高い夜の方が飛来量が多い印象があり、条件がそろうと一晩で多くの蛾を見ることができることもあります。

山地の道路や林縁の街灯などを探して歩くと、思いがけず大型の蛾に出会えることがあります。

まとめ

春になると、日本では大型の蛾が活動を始めます。イボタガ、エゾヨツメ、オオシモフリスズメは、昆虫好きの間で「春の三大蛾」と呼ばれることがある代表的な蛾です。

春の夜に灯りのある場所を探してみると、思いがけない大型の蛾に出会えることがあります。条件が合えば、迫力のある姿を観察できるかもしれません。

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