家の中で突然、たくさんの長い脚を持つゲジが走り出すと驚きますよね。
ムカデにも似た見た目をしているため、「毒があるのでは?」「噛まれたら危険?」と不安になる人も多いと思います。
しかし、ゲジは人を積極的に襲う生き物ではありません。むしろ、ゴキブリや蛾などの小さな虫を捕まえて食べる一面もあります。
家の中に出たからといって、慌てる必要はありません。まずは、ゲジがどのような生き物なのか見ていきましょう。
ゲジとはどんな生き物?

長い脚が特徴のムカデの仲間
ゲジは、一般に「ゲジゲジ」とも呼ばれるムカデの仲間です。
昆虫ではなく、成体になると体の左右に15対、合計30本の長い脚を持ちます。
体そのものは3cm前後ですが、脚が長いため、実際よりもかなり大きく見えます。さらに、非常に素早く走るので、家の中で見つけると怖く感じるかもしれません。
普段は石や落ち葉の下、草むら、床下、コンクリートの隙間などに隠れています。
夜になると活動し、エサになる小さな虫を探して歩き回ります。
大型のオオゲジという種類もいる
日本には、一般的なゲジとは別に「オオゲジ」という大型の種類もいます。
オオゲジは名前のとおりゲジよりも大きく、脚まで含めるとかなりの迫力があります。
ゲジがそのまま巨大に成長したものではなく、ゲジとオオゲジは別の種類です。
私自身、沖縄でオオゲジと思われる非常に大きなゲジの仲間を見たことがあります。
普段見かけるゲジとは明らかに大きさが違い、長い脚も相まって、初めて見たときはかなり驚きました。
ただし、写真などで詳しく確認していない場合は、断定せず「オオゲジと思われる個体」としておくのが正確です。
ゴキブリや蛾を食べる益虫でもある
ゲジは肉食性で、ゴキブリやカ、ハエ、蛾、クモなどの小さな生き物を捕まえて食べます。
家の中では嫌われやすいものの、害虫を減らしてくれることから、益虫として扱われることもあります。
私も、家の外壁にゲジがいるのを見つけたことがあります。
見た目は少し怖かったのですが、よく見ると蛾を捕まえて食べていました。
家の中に突然出てくると驚きますが、屋外ではほかの虫を捕食しながら暮らしている生き物です。
ただし、益虫だからといって、家の中で無理に放置する必要はありません。苦手な場合は、触らずに外へ逃がしてしまって大丈夫です。
家にゲジが出るのはなぜ?
エサになる虫を探している
ゲジが家の中に入ってくる理由のひとつが、エサになる虫の存在です。
家の中にゴキブリやカ、ハエ、クモなどがいると、それらを探して入り込むことがあります。
ただし、ゲジを1匹見ただけで、家の中にゴキブリが大量発生しているとは限りません。
屋外でエサを探していた個体が、玄関や窓から偶然入り込んだ可能性もあります。
短期間に何度もゲジを見かける場合は、ゲジだけでなく、エサになっている小さな虫が増えていないか確認してみましょう。
家の周りに隠れやすい場所がある
ゲジは、石や落ち葉の下、草むら、床下など、暗くて身を隠せる場所で暮らしています。
家の周囲に次のようなものが多いと、ゲジが潜みやすくなります。
- 落ち葉
- 石やブロック
- 放置した木材や廃材
- 長期間動かしていない植木鉢
- 茂った草や低木
こうした場所から夜になると活動を始め、エサを探している途中で家の中へ入り込むことがあります。
家の外壁でゲジを見かけるのも、家の周囲にいる個体が虫を探して動き回っているためと考えられます。
暗く湿った場所に入り込む
ゲジは、暗く湿気のある場所で見つかることが多い生き物です。
家の中では、次のような場所に隠れることがあります。
- 風呂場や洗面所
- キッチンの流し台周辺
- 玄関や靴箱の近く
- 家具や家電の裏
- 床下や物置
特に床下や水まわりは、暗くて人の目が届きにくく、湿気もたまりやすい場所です。
そのため、屋外から入り込んだゲジが一時的に隠れることがあります。
ゲジは危険?毒や人への害はある?
人を積極的に襲う生き物ではない
ゲジはムカデの仲間ですが、人を見つけて追いかけたり、積極的に襲ったりする生き物ではありません。
人の気配を感じると、素早く逃げていくことがほとんどです。
見た目は怖いものの、一般的な生活の中でゲジによる被害を受ける可能性は高くありません。
寝ている人の布団にわざわざ入ってきたり、人を狙って近づいてきたりするような生き物でもありません。
獲物を捕らえるための毒を持つ
ゲジは、昆虫などの獲物を捕らえるための毒を持っています。
ただし、その毒は小さな獲物を捕まえるためのもので、人にとって強い危険性があるものではありません。
人を積極的に噛むこともありませんが、追い詰めたり素手で強くつかんだりすれば、防御しようとする可能性はあります。
種類を見分けられないこともあるため、ゲジを見つけても素手では触らないほうが安心です。
オオゲジも素手では触らない
大型のオオゲジも、人を積極的に襲う生き物ではありません。
ただし、大型で力もあるため、追い詰めたり手でつかんだりするのは避けましょう。
ゲジやオオゲジの脚は、外敵に襲われると切れてしまうことがあります。
安全面だけでなく、ゲジを傷つけないためにも、虫網や容器を使って距離を取りながら対処するのがおすすめです。
ゲジはどこから家に入ってくる?

玄関や勝手口
玄関や勝手口は、屋外と直接つながっているため、ゲジが入りやすい場所です。
ドアの下に隙間がある場合だけでなく、人が出入りする短い時間に入り込むこともあります。
玄関付近に植木鉢や落ち葉、石などが多いと、ゲジが身を隠しやすくなります。
外に置いていた靴や荷物を室内へ入れる際に、ゲジが紛れ込む可能性もあります。
窓や網戸の隙間
網戸の破れや、窓と網戸の間にできた隙間も侵入経路になります。
網戸を閉めていても、サッシのずれや劣化によって、虫が通れる隙間ができていることがあります。
窓まわりはゲジだけでなく、蛾やカメムシなども入りやすい場所です。
網戸に破れがないか、窓を閉めたときに隙間ができていないか確認しておきましょう。
基礎や壁の隙間
ゲジは、コンクリートの割れ目や建物の小さな隙間にも入り込みます。
家の基礎にあるひび割れや、外壁と床の境目などに隙間があると、建物の中へ入ってくる可能性があります。
特に1階で何度もゲジを見かける場合は、窓や玄関だけでなく、床下や基礎まわりも確認してみましょう。
配管やエアコン配管の周り
キッチンや洗面台の下には、配管を通すための穴があります。
配管と床や壁の間に隙間が残っていると、床下や壁の内側から虫が出てくることがあります。
エアコン配管を通す壁穴も、外側のパテが割れたり外れたりしていないか確認しておきたい場所です。
家の中でゲジを見つけたときの対処法
虫網や容器を使って外へ逃がす
ゲジを駆除したくない場合は、虫網や大きめの容器を使って捕まえ、屋外へ逃がします。
ゲジは非常に素早く動くため、小さなコップをかぶせようとすると、家具の裏などへ逃げ込まれることがあります。
個人的には、百均などで売られているものでもよいので、虫網を家にひとつ置いておくのがおすすめです。
ゲジだけでなく、蛾やカメムシなどが入ってきたときにも使えます。
虫に近づくのが苦手な場合は、柄が伸びる虫網を選ぶと、少し離れた場所から捕まえられます。
捕まえるときは脚をつかまず、網の中へ追い込むようにしましょう。
外へ逃がす場合は、玄関のすぐ近くではなく、家から少し離れた草むらなどへ移動させると再侵入を防ぎやすくなります。
難しい場合は対応したスプレーを使う
外へ逃がすのが難しい場合は、ゲジに使用できる殺虫スプレーや、冷却して動きを止めるタイプのスプレーを使う方法もあります。
製品によって対応する虫や使用できる場所が異なるため、購入前に適用害虫を確認してください。
室内で使用する場合は、食品や食器、ペット用品などに薬剤がかからないよう注意します。
小さな子どもやペットがいる家庭では、使用場所や使用後の換気についても、製品の説明をよく確認しましょう。
見失っても過度に心配しない
ゲジを見失った場合は、家具や家電の裏、部屋の隅、靴箱の周辺など、暗くて隠れやすい場所へ逃げ込んでいる可能性があります。
ただし、ゲジは人を狙って襲う生き物ではありません。
無理に家具をすべて動かす必要はなく、部屋を片づけたうえで、再び出てきたときに虫網などで対処すれば十分です。
何度も同じ場所で見かける場合は、その周辺に侵入できる隙間がないか確認してみましょう。
ゲジを家に入れないための対策

家の周りを整理する
まず行いたいのが、家の周囲にある隠れ場所を減らすことです。
外壁や玄関の近くにある落ち葉、廃材、石、使っていない植木鉢などを整理します。
植木鉢やプランターを置く場合は、外壁に密着させず、ときどき動かして下を確認するとよいでしょう。
草が伸びている場所は刈り、落ち葉がたまったままにならないようにすると、ゲジだけでなくほかの虫も潜みにくくなります。
玄関や窓の隙間をふさぐ
玄関ドアの下や窓のサッシに隙間がある場合は、隙間テープなどでふさぎます。
網戸が破れている場合は、補修シールを貼るか、必要に応じて網を張り替えましょう。
隙間テープを貼るときは、ドアや窓の開閉を妨げないよう、自宅の形状に合った厚さを選ぶことが大切です。
玄関を長時間開けたままにしないことも、簡単にできる侵入対策になります。
配管まわりの穴を埋める
キッチンや洗面台の下を確認し、配管と床の間に大きな隙間がある場合は、配管用のパテなどでふさぎます。
エアコン配管の壁穴も、古いパテが割れたり外れたりしていないか確認してください。
小さな隙間を減らすことは、ゲジだけでなく、ゴキブリなどほかの虫の侵入対策にもなります。
ただし、換気口など本来空気を通す必要がある場所を、完全にふさいでしまわないよう注意しましょう。
湿気をためない
ゲジが隠れやすい環境を減らすため、家の中に湿気をためないことも大切です。
風呂場や洗面所は定期的に換気し、濡れた状態を長く残さないようにします。
押し入れや物置も、ときどき扉を開けて空気を入れ替えましょう。
床下や水まわりで水漏れが起きている場合は、湿気だけでなく建物にも影響するため、早めに修理します。
ただし、ゲジが出たからといって、必ずしも家の湿気がひどいとは限りません。
屋外から偶然入り込んだだけの場合もあるため、ほかの原因とあわせて確認しましょう。
エサになる虫を減らす
ゲジは、小さな昆虫やクモなどを捕食します。
そのため、ゲジだけを追い出しても、エサになる虫が多ければ、再び入り込む可能性があります。
食べかすや生ゴミを放置せず、キッチンや家具の下を定期的に掃除しましょう。
ゴキブリを見かけている場合は、置き型の駆除剤や侵入防止対策を組み合わせ、ゲジのエサになる虫を減らすことも大切です。
ただし、ゲジを見たことだけを理由に、ゴキブリが大量にいると決めつける必要はありません。
忌避剤は補助的に使う
玄関や窓の下、外壁、基礎まわりなどに、ゲジやムカデなどの歩く虫に対応した侵入防止剤を使う方法もあります。
粉剤やスプレータイプなどがありますが、製品によって使用できる場所や効果の持続期間が異なります。
雨の当たる場所では効果が落ちやすい製品もあるため、必ず説明書に従って使用してください。
小さな子どもやペットが触れる場所、家庭菜園や池の近くなどでは、使用できる製品かどうかも確認しましょう。
忌避剤だけに頼るのではなく、家の周囲の整理や隙間対策と組み合わせることが大切です。
ゲジを何度も見かける場合は?
年に1匹程度であれば、屋外から偶然入り込んだ可能性もあります。
一方、短期間に何匹も見かける場合は、家の周囲や床下にゲジが隠れやすい場所があるか、エサになる小さな虫が増えている可能性があります。
次の場所を中心に確認してみましょう。
- 外壁付近の落ち葉や廃材
- 玄関や窓の隙間
- 配管やエアコン配管の周り
- 湿気の多い床下や水まわり
- ゴキブリなどの小さな虫が出ていないか
ゲジを見つけただけで、すぐに害虫駆除業者を呼ぶ必要はありません。
まずは家の周りを整理し、侵入しそうな隙間をふさいだうえで、必要に応じて侵入防止剤を使う方法で十分でしょう。
まとめ
ゲジは長い脚を持つムカデの仲間ですが、人を積極的に襲う生き物ではありません。
ゴキブリやカ、蛾などの小さな虫を捕食する益虫でもあり、屋外にいるだけなら無理に駆除する必要はないでしょう。
家の中で見つけた場合は、素手で触らず、虫網や容器を使って外へ逃がすのがおすすめです。
何度も出る場合は、ゲジだけを駆除するのではなく、玄関や配管まわりの隙間、床下の湿気、エサになる虫、家の周囲にある隠れ場所を確認してみてください。

