赤トンボという種類はいない?代表的な種類と見分け方

葉の上にとまるアキアカネ

秋になると、田んぼや草地の上を飛ぶ赤いトンボをよく見かけます。

私たちはまとめて「赤トンボ」と呼んでいますが、実は赤トンボという名前の種類がいるわけではありません。

アキアカネやナツアカネなど、いくつかのトンボが赤トンボと呼ばれています。

目次

赤トンボという種類はいない?

葉にとまるミヤマアカネ

赤いトンボを見て、「赤トンボが飛んでいる」と言う人は多いと思います。

しかし、赤トンボは一種類のトンボの名前ではありません。

一般的には、アキアカネやナツアカネ、ミヤマアカネなど、主にアカネ属のトンボをまとめて赤トンボと呼びます。

見た目はよく似ていますが、それぞれに別の名前があり、体の色や翅の模様、生息する場所なども少しずつ異なります。

赤トンボはアキアカネのこと?

赤トンボの代表としてよく知られているのが、アキアカネです。

童謡や秋の風景に登場する赤トンボも、アキアカネをイメージしていることが多いでしょう。

ただし、赤トンボがすべてアキアカネというわけではありません。

ナツアカネやノシメトンボ、ネキトンボなども赤トンボの仲間です。

遠くから見るとどれも似ているため、赤いというだけでアキアカネと判断するのは難しいことがあります。

赤トンボと呼ばれる代表的な種類

黄色い花にとまるアキアカネ

アキアカネ

アキアカネは、赤トンボを代表する種類です。

成熟したオスは腹部が赤くなりますが、顔や胸まで真っ赤になるわけではありません。

平地の水田や湿地などで羽化したあと、夏の暑い時期には涼しい山地や高原へ移動します。秋になると再び平地へ戻り、産卵します。

夏の山でトンボが大量に飛んでいることがありますが、その中には暑さを避けて移動してきたアキアカネが含まれていることがあります。

ナツアカネ

ナツアカネも、身近に見られる赤トンボの一種です。

成熟したオスは、腹部だけでなく顔や胸まで赤くなります。アキアカネよりも、体全体が赤く見えるトンボです。

「ナツアカネ」という名前ですが、夏だけに見られるわけではなく、秋にも活動しています。

アキアカネとよく似ていますが、胸の側面にある黒い模様の形などから見分けることができます。

ミヤマアカネ

ミヤマアカネは、翅に入った褐色の帯が目立つトンボです。

ほかの赤トンボとは翅の模様が大きく異なるため、比較的見分けやすい種類です。

名前に「ミヤマ」と付いていますが、深い山だけにいるわけではありません。流れの緩やかな川や用水路、水田の周辺などでも見られます。

ノシメトンボ

ノシメトンボは、4枚の翅の先端にある褐色の模様が特徴です。

成熟したオスは暗い赤褐色になりますが、ナツアカネのような鮮やかな赤色にはなりません。

翅の先端に同じような模様を持つ赤トンボはほかにもいるため、翅だけでは種類を決められないこともあります。

ネキトンボ

ネキトンボは、翅の付け根が黄色やオレンジ色に染まる赤トンボです。

名前も「翅の根元が黄色いトンボ」という特徴から付けられています。

成熟したオスは、顔や胸、腹部が鮮やかな赤色になります。

池や沼などの水辺で見られますが、どこにでもいるわけではなく、地域によってはあまり見かけないこともあります。

赤いトンボがすべて同じ仲間とは限らない

体が赤いトンボでも、アカネ属ではない種類がいます。

その代表がショウジョウトンボです。

成熟したショウジョウトンボのオスは、顔から腹部まで鮮やかな赤色になります。見た目は赤トンボらしいですが、アキアカネやナツアカネとは別の仲間です。

また、夏に群れで飛ぶウスバキトンボも、オレンジ色の体をしているため、赤トンボと間違われることがあります。

反対に、アカネ属のトンボでも、メスや成熟する前の個体は赤く見えないことがあります。

体の色だけで種類を見分けるのは、意外と難しいものです。

赤トンボの種類を見分けるポイント

赤トンボを見分けるときは、体の色だけでなく、次の部分も確認します。

  • 翅の先端や中央に模様があるか
  • 翅の付け根に色が付いているか
  • 胸の側面にどのような黒い模様があるか
  • 顔や胸まで赤くなっているか
  • 腹部の色や模様
  • 見つけた場所や時期

特に種類を見分ける手掛かりになるのが、翅と胸の模様です。

私自身、トンボを観察していると、赤いトンボは見分けるのが難しいと感じます。

その場で種類が分からないときは、写真を撮ってから、帰宅後に図鑑などで調べています。

写真を撮る場合は、真上からだけでなく、翅全体や胸の側面が写る角度からも撮っておくと、種類を調べやすくなります。

ただし、オスとメス、成熟前と成熟後では色が変わるため、写真があっても判断が難しいことがあります。

無理に一つの種類へ決めず、いくつかの特徴を見比べながら調べることが大切です。

まとめ

赤トンボという名前の一種類がいるわけではありません。

主にアキアカネやナツアカネ、ミヤマアカネなど、アカネ属のトンボをまとめて赤トンボと呼びます。

赤トンボの種類を見分けるときは、体の色だけでなく、翅や胸の模様にも注目してみてください。

アキアカネだと思っていたトンボが、ナツアカネやノシメトンボ、ネキトンボなど、別の種類かもしれません。

目次