庭や畑に、いつの間にか穴ができていることがあります。
「何かの動物が掘ったのか?」
「モグラ?ネズミ?タヌキ?」
「このまま放置して大丈夫なのか?」
庭の穴は、見つけると意外と気になります。
ただ、穴だけを見て正体を決めるのは簡単ではありません。
同じような穴でも、モグラのトンネル跡、ネズミなどの小動物の出入り穴、アナグマやタヌキが掘った跡、虫や土の沈み込みによる穴など、いくつかの可能性があります。
この記事では、庭や畑に穴を掘る動物の正体を、穴の大きさ・場所・土の状態・周辺の痕跡から見分けるポイントとして紹介します。
庭や畑に穴を掘る動物は何?

庭や畑に穴を掘る動物は、1種類ではありません。
候補になりやすいのは、次のような動物です。
・モグラ
・ネズミ
・アナグマ
・タヌキ
・アライグマ
・ハクビシン
・イノシシ
・イタチ
・キツネ
・鳥や昆虫
たとえば、土が盛り上がっているならモグラ、広い範囲が掘り返されているならイノシシやアナグマ、小さな穴が家の壁際や物置の近くにあるならネズミなどの小動物が関係している可能性があります。
ただし、穴だけで「この動物」と断定するのは難しいです。
見るべきなのは、穴そのものだけではありません。
- 穴の大きさ
- 穴がある場所
- 土が外に出ているか
- 足跡やフンがあるか
- 作物や果実が荒らされているか
- 夜に物音がするか
- 同じ場所に何度も穴ができるか
こうした痕跡を合わせて見ることで、正体を絞りやすくなります。
穴の大きさ・状態で見分けるポイント
庭や畑の穴を見つけたら、まずは大きさと土の状態を見てみましょう。
穴だけで正体を断定することはできませんが、ある程度の目安にはなります。
数cmほどの小さい穴
数cmほどの小さな穴は、ネズミや昆虫、小型の動物が関係していることがあります。
家の壁際、草むら、物置の下などにある場合は、ネズミなどの出入り穴の可能性もあります。
ただし、小さな穴が1つだけで、フンや足跡、食害がない場合は、虫の穴や土の沈み込みのこともあります。
5cm前後の穴
5cm前後の穴は、ネズミやイタチなどの小動物、または土の崩れなどが候補になります。
このサイズは見分けが難しいため、穴の場所をよく見てください。
床下や物置の近くにあるなら小動物、庭の真ん中に1つだけなら動物以外の可能性もあります。
10cm以上の大きい穴
10cm以上の穴は、アナグマ、タヌキ、キツネ、アライグマなどの中型動物が関係していることがあります。
土が外にかき出されている、斜面や土手に横穴のように開いている場合は、巣穴や出入り穴の可能性もあります。
大きな穴には、むやみに手を入れないようにしましょう。
土が盛り上がっている穴
穴というより、土が小さな山のように盛り上がっている場合は、モグラの可能性があります。
モグラは地中にトンネルを掘る動物です。掘って出た不要な土を地上に押し上げたものは「モグラ塚」と呼ばれます。
芝生や畑に土の山がポコポコできる場合は、モグラのトンネル跡を疑ってみましょう。
畑が広く掘り返されている跡
畑や家庭菜園の土が広く掘り返されている場合は、イノシシやアナグマ、アライグマなども候補になります。
作物が食べられている、夜の間に荒らされる、何度も同じ場所を掘られる場合は、単なる穴ではなく獣害として考えた方がいいです。
農研機構はイノシシ対策として、作物の取り残しや放棄に注意すること、耕作放棄地の除草に努めることなどを挙げています。畑まわりでは、動物を寄せる食べ物や隠れ場所を減らすことが大切です。
穴がある場所で候補は変わる
同じような穴でも、どこにあるかで候補は変わります。
家の壁際・床下付近
家の壁際や床下付近に穴がある場合は、ネズミ、イタチ、ハクビシン、アライグマなどに注意します。
床下通気口、換気口、軒下、物置の下、基礎まわりに穴がある場合は、建物への侵入につながることもあります。
夜に床下や天井裏で音がする場合は、早めに確認した方が安心です。
芝生・花壇
芝生や花壇では、モグラ、ネズミ、アナグマ、鳥の採食跡などが候補になります。
モグラなら土の盛り上がりが目立ちます。
花壇の土が部分的に掘られている場合は、虫やミミズを探して、鳥や小動物が掘った跡かもしれません。
畑・家庭菜園
畑や家庭菜園では、庭よりも候補が増えます。
モグラ、ネズミ、アナグマ、タヌキ、アライグマ、ハクビシン、イノシシなどです。
作物が食べられている場合は、穴だけでなく食べ跡も見てください。
- 果実がかじられている。
- イモ類が掘られている。
- 畑の端から入った跡がある。
- 広い範囲に土が乱れている。
こうした痕跡があるなら、食べ物目的で動物が来ている可能性があります。
斜面・土手・使われていない農地
斜面や土手、使われていない農地に横穴のような穴がある場合は、アナグマ、キツネ、タヌキなどの巣穴や出入り穴の可能性があります。
入口の土が新しい、穴の前が踏み固められている、周辺にフンや足跡がある場合は、今も使われているかもしれません。
私自身、使われなくなった農地で、長年使われているような穴を見つけたことがあります。
気になって撮影装置を仕掛けてみると、映っていたのはタヌキだけではありませんでした。キツネも同じ穴を出入りしていたのです。
「この穴はこの動物」と単純に決められないことに、かなり驚きました。
庭や畑の穴も同じで、穴の大きさだけでは正体を断定できません。足跡、フン、場所、周辺の環境、何度も使われているかなどを合わせて見ることが大切です。
物置やウッドデッキの下
物置やウッドデッキの下は、動物にとって隠れやすい場所です。
ネズミ、イタチ、タヌキ、アナグマなどが入り込むことがあります。
暗くて雨風を避けやすく、人の目も届きにくいため、穴が近くにある場合は注意して見てください。
庭や畑に穴を掘る主な動物

ここからは、庭や畑の穴で候補になりやすい動物を簡単に紹介します。
モグラ
モグラは、庭や畑の穴でよく疑われる動物です。
ただし、モグラの場合は「ぽっかり開いた穴」よりも、土の盛り上がりや地面の浮きが目立ちます。
地中にトンネルを掘り、ミミズや昆虫などを探して動き回ります。植物の根を直接食べるわけではありませんが、トンネルによって土が動き、花壇や芝生の見た目が悪くなることがあります。
ネズミ
小さな穴が家の壁際や物置の下、草むらの近くにある場合は、ネズミも候補になります。
ネズミの穴は、庭の真ん中よりも、隠れ場所に近い場所にできることが多いです。
生ゴミ、ペットフード、物置の中の食べ物、草むらなどがあると寄ってきやすくなります。
アナグマ
アナグマは、庭や畑を掘り返す動物として有力な候補です。
土を掘る力が強く、巣穴を作ることもあります。庭や畑では、地中の虫やミミズ、作物などを探して土を掘ることがあります。
大きめの穴、土をかき出した跡、斜面や土手の横穴、広めに掘り返された跡がある場合は、アナグマの可能性があります。
タヌキと見間違えられることもありますが、アナグマはずんぐりした体つきで、穴掘りの印象が強い動物です。
タヌキ
タヌキも庭や畑に現れることがあります。
ただし、タヌキは「庭の穴=必ずタヌキ」と言い切れるほど、穴掘り専門の動物ではありません。
果実、虫、小動物、生ゴミなど、食べ物になるものがあると庭や畑に来ることがあります。
また、タヌキは同じ場所にフンをする「ため糞」をする習性があります。
穴の近くや庭のすみに、同じ場所へ繰り返しフンがある場合は、タヌキも候補に入ります。
アライグマ・ハクビシン
アライグマやハクビシンは、穴そのものよりも、果実や家庭菜園の食害、屋根裏や床下への侵入とセットで考えた方が分かりやすい動物です。
庭に穴があるだけで決めつけるのではなく、果実被害、足跡、建物への侵入跡、夜の物音も合わせて確認してください。
ハクビシンは果実や生ゴミ、ペットフードなどに寄ってくることがあります。庭や家の周りでは、食べ物を放置しないことが大切です。
イノシシ
畑や山際の庭で、土が広く掘り返されている場合は、イノシシも重要な候補です。
イノシシは鼻先で土を掘り返し、地中のエサや作物を探すことがあります。
小さな穴が1つだけというより、広い範囲が荒れている、畑の土が大きく乱れている、作物が食べられている、夜間に被害が出る場合に疑います。
イノシシは力が強く、近づくと危険な場合もあります。姿を見た場合は、無理に追い払おうとしない方が安全です。
イタチ・キツネ・鳥や昆虫
地域によっては、イタチやキツネが関係することもあります。
イタチは小さなすき間や物陰に入り込みやすく、物置の下や家の周りで痕跡が見つかることがあります。
キツネは庭の中心というより、畑、土手、斜面、山際などで候補になります。
また、小さな穴は哺乳類だけが原因とは限りません。鳥が虫を探して土をつついた跡、昆虫が出入りした穴、ミミズや地中の生き物が関係した土の乱れのこともあります。
放置してもよい穴と注意したい穴
小さな穴が1つあるだけなら、すぐに大きな問題とは限りません。
雨、虫、土の沈み込み、古い根の跡などの場合もあります。
ただし、次のような場合は放置しない方がいいです。
- 穴が何度もできる
- 穴が増えている
- 床下や家の近くにある
- 畑や家庭菜園が荒らされている
- フンや悪臭がある
- 夜に物音がする
- 大きな動物を見た
- 子どもやペットが庭に出る
特に、フンや尿がある場合は衛生面にも注意が必要です。厚生労働省は、動物の排泄物に触れた手を口に持っていくことで感染する場合があると説明しています。正体不明のフンや汚れた土は、素手で触らないようにしましょう。
自分でできる対策
庭や畑に穴を掘る動物を寄せにくくするには、まず「食べ物」と「隠れ場所」を減らすことが大切です。
できる対策は次の通りです。
- 生ゴミを外に置かない
- ペットフードを庭や玄関先に出しっぱなしにしない
- 落ちた果実を片付ける
- 収穫しない野菜や果実を放置しない
- 草むらや物陰を減らす
- 物置の下や床下のすき間を確認する
- 家庭菜園はネットや柵で守る
- 穴や足跡を写真に残す
穴を埋めるだけでは、また掘られることがあります。
なぜその場所に動物が来るのか。
食べ物があるのか、隠れ場所があるのか、床下に入れるすき間があるのか。
そこを減らすことが大切です。
やってはいけないこと
庭や畑に穴があると、すぐに埋めたり、何かを入れたりしたくなるかもしれません。
しかし、正体が分からないまま対応するのは危険です。
次のようなことは避けてください。
- 穴に手を入れる
- フンを素手で触る
- 正体不明のまま穴をふさぐ
- 煙や薬剤を適当に入れる
- 勝手に捕獲器を仕掛ける
- 子育て中の巣穴を壊す
- 野生動物に近づく
特に捕獲には注意が必要です。
環境省は、鳥獣保護管理法では鳥獣や鳥類の卵について、狩猟による捕獲などを除き、原則として捕獲・殺傷・採取が禁止されていると説明しています。被害がある場合でも、許可が必要になることがあります。
庭に穴を掘られて困っている場合でも、自己判断で捕まえようとせず、自治体や専門業者に相談した方が安全です。
自治体や専門業者に相談した方がいいケース
次のような場合は、自分だけで判断しない方がいいです。
・穴が何度もできる
・床下や建物の近くに穴がある
・夜に天井裏や床下で音がする
・フンや悪臭がある
・畑や家庭菜園の被害が続いている
・大きな動物を見た
・動物の正体が分からない
・子どもやペットが庭に出る
・自分で対策しても改善しない
穴の正体が分からないまま放置すると、建物への侵入、作物被害、フン尿被害につながることがあります。
特に、床下や屋根裏に入られている可能性がある場合は、早めに確認した方がいいです。
害獣駆除の専門業者なら、穴やフン、足跡、侵入口などを見て、どの動物の可能性が高いかを確認してくれます。
自分で判断できない場合は、無料相談や現地調査を利用するのも一つの方法です。
庭の穴に関するよくある質問
庭に5cmくらいの穴がある場合は何の動物?
5cmくらいの穴は、ネズミ、小型動物、昆虫、土の崩れなど複数の可能性があります。
家の壁際、物置の下、草むらの近くにあるなら、ネズミなどの小動物を疑います。
ただし、穴が1つだけでフンや足跡がない場合は、しばらく様子を見るのも一つです。
庭に10cm以上の穴がある場合は?
10cm以上の穴は、アナグマ、タヌキ、キツネ、アライグマなどの中型動物も候補になります。
土が外にかき出されているか、同じ場所に何度も穴ができるか、周辺にフンや足跡があるかを確認してください。
巣穴の可能性がある場合は、穴に手を入れたり、無理にふさいだりしない方が安全です。
庭の土が盛り上がるのはモグラ?
土が小さな山のように盛り上がっている場合は、モグラの可能性があります。
モグラは地中にトンネルを掘るため、開いた穴よりも、土の盛り上がりや地面の浮きが目立つことがあります。
畑の土が広く掘り返されるのはイノシシ?
山際の畑や家庭菜園で、広い範囲が掘り返されている場合は、イノシシも候補になります。
ただし、アナグマやアライグマなどが関係することもあるため、足跡や食害の様子も確認しましょう。
穴を埋めてもまた掘られるのはなぜ?
その場所にエサや隠れ場所があるからです。
落ちた果実、生ゴミ、ペットフード、虫が多い土、物置の下のすき間などがあると、穴を埋めてもまた掘られることがあります。
穴を埋めるだけでなく、動物が来る理由を減らすことが大切です。
まとめ
庭や畑に穴を掘る動物は、1種類ではありません。
小さい穴なら、ネズミや昆虫、小型動物。
土が盛り上がるなら、モグラ。
大きめの穴なら、アナグマ、タヌキ、キツネ、アライグマなど。
畑が広く掘り返されているなら、イノシシやアナグマなども候補になります。
ただし、穴だけで正体を断定するのは難しいです。
穴の大きさ、場所、土の出方、足跡、フン、夜の物音、作物被害を合わせて確認しましょう。
小さな穴が1つだけなら、すぐに大きな問題とは限りません。
しかし、穴が増える、床下の近くにある、畑が荒らされる、フンや悪臭がある場合は、放置しない方が安心です。
正体が分からないときは、無理に捕まえたり、穴に手を入れたりせず、自治体や専門業者に相談してください。
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庭や畑に穴ができている場合は、ほかの害獣被害とつながっていることもあります。
畑の作物が荒らされている、家の周りで物音がする、屋根裏や床下への侵入が心配な場合は、あわせて確認してみてください。

