夜行性の動物には、タヌキ、ムササビ、コウモリ、フクロウなどがいます。
日本には夜を中心に活動する野生動物が多く、昼間はなかなか姿を見られなくても、日が暮れると動き始める種類も少なくありません。
ただし、夜に見かける動物がすべて夜行性とは限りません。シカやカモシカのように、昼夜を問わず活動する動物もいます。
この記事では、日本で見られる代表的な夜行性の動物を一覧で紹介するとともに、実際に夜の森や林道で野生動物を探してきた経験をもとに、見つけやすい場所や時間帯、探し方、注意点まで紹介します。
夜行性の動物一覧|日本で見られる代表種
日本には、哺乳類だけでなく、鳥類や爬虫類、両生類、昆虫にも夜を中心に活動する動物がいます。
ただし、同じ動物でも季節や周囲の環境によって活動する時間帯が変わることがあります。
ここでは、日本の野外で見られる代表的な夜行性の動物を種類ごとに紹介します。
夜行性の哺乳類

日本で見られる夜行性動物の中でも、哺乳類は種類が多く、夜の林道や森林、里山などで姿を見かけることがあります。
代表的なのは次のような動物です。
- キツネ:日没後から早朝にかけて活動することが多く、森林や草地、農地などで見られます。
- タヌキ:夜になると餌を探して活動することが多く、里山だけでなく市街地周辺にも生息しています。
- ニホンノウサギ:主に夜間に活動し、森林や草地、林道周辺などを移動します。
- ニホンアナグマ:昼間に姿を見せることもありますが、夜を中心に活動することが多い動物です。
- ホンドテン:森林に生息し、夜になると地上や木の上を移動しながら餌を探します。
- ムササビ:昼間は樹洞などで休み、日没後になると木々の間を滑空しながら移動します。
- ニホンモモンガ:森林の木の上で暮らし、夜になると樹洞などから出て活動します。
- エゾモモンガ:北海道に生息するモモンガで、基本的には夜を中心に活動します。
- ヤマネ:日本固有の小型哺乳類で、夜になると樹上を移動しながら果実や昆虫などを食べます。
- アカネズミ:森林や草地などに生息する野ネズミで、日没後から明け方にかけて活発に活動します。
- アブラコウモリ:住宅地でも見られる身近なコウモリで、日没後に飛び始め、空中で昆虫を捕まえます。
私自身、キツネやタヌキ、ノウサギ、ムササビなどを野外で見ていますが、昼間より夜になってから姿を見つけることが多い動物はかなりいます。
夜行性の鳥類

鳥は昼間に活動する種類が多いですが、フクロウの仲間やヨタカ、ゴイサギなど、夜になると活発に動く鳥もいます。
- フクロウ:夜になるとネズミなどの小動物を探して活動します。
- アオバズク:夕方から夜、明け方にかけて活動するフクロウの仲間です。
- コノハズク:小型のフクロウで、繁殖期には夜の森林から特徴的な鳴き声が聞こえます。
- ヨタカ:夕方から夜に飛びながら、ガや甲虫などの昆虫を捕まえます。
- ゴイサギ:夕方から夜に水辺へ出て、魚やカエルなどを探して活動します。
夜の森では、姿を見るより先に鳴き声で鳥の存在に気づくこともあります。
夜行性の爬虫類・両生類

爬虫類や両生類にも、昼間は物陰などで休み、暗くなってから活動する種類がいます。
- ニホンヤモリ:夜になると家の壁や窓の周辺に現れ、灯りに集まった昆虫を捕まえます。
- ヒキガエルの仲間:主に夜に活動し、雨上がりなどには地上を歩いている姿を見かけることがあります。
- オオサンショウウオ:河川に生息する大型の両生類で、主に夜間に活動します。
- ニホンマムシ:暖かい時期には夜間の活動が増えるため、夜の山道や草地、水辺などでは注意が必要です。
カエルの仲間は夜になると鳴き声や動きが目立つ種類も多く、雨上がりの夜は特に見つけやすくなることがあります。
夜行性の昆虫

夏の夜は、昆虫を観察するのにも向いています。
樹液の出ている木や街灯の周辺では、昼間には目立たなかった昆虫が活動しています。
- カブトムシ:夏の夜に樹液へ集まる代表的な昆虫です。昼間に活動することもあります。
- コクワガタ:夜に樹液へ集まり、灯りに飛んでくることもあります。
- ミヤマクワガタ:夏の夜に樹液や灯火で見られるクワガタです。昼間にも活動します。
- オオミズアオ:大型のガの仲間で、夜になると活動し、街灯などの灯りに飛来することがあります。
- ヤママユ:日本に生息する大型のガで、成虫は夜を中心に活動します。
- ゲンジボタル:初夏の夜に川沿いなどで発光しながら飛びます。
私も夜の森を歩いていると、哺乳類より先にカエルやガ、クワガタなどの小さな生き物に気づくことがよくあります。
日本には外来の夜行性動物もいる
日本の野外では、在来種だけでなく外来の夜行性動物も見られます。
代表的なのがハクビシンとアライグマです。
どちらも夜間に活動することが多く、森林や農地だけでなく住宅地周辺に姿を現すことがあります。
この記事では、日本の在来種・固有種とは分けて扱います。
夜行性とは?
夜行性とは、主に夜間に活動し、昼間は休んでいることが多い性質のことです。
タヌキやムササビ、フクロウのように、日が暮れてから餌を探したり移動したりする動物が代表的です。
ただし、活動する時間帯は季節や天候、人の活動などによって変わることがあります。
そのため、夜行性の動物でも昼間に姿を見せることがあります。
夜行性動物はどんな場所で見つかる?

夜行性動物は、森の奥だけにいるわけではありません。
実際には、林道、森と草地の境目、水辺、田畑の周辺、街灯、樹液が出ている木など、さまざまな場所で見つかります。
特に夜の林道では、タヌキやキツネ、ノウサギなどの哺乳類が道路を横切ったり、道路脇に出てきたりすることがあります。
水辺や湿った場所ではカエルなどの両生類、家や建物の周辺ではヤモリ、夏の街灯や樹液木ではクワガタやガなどの昆虫を見つけやすくなります。
森の中だけを見るのではなく、「森と道路」「森と草地」「水辺と陸地」のような環境の境目も探してみるのがおすすめです。
夜行性動物を探すときは、まず「何を見たいのか」を決め、その動物が利用しやすい場所を探すことが大切です。
夜行性動物が活動しやすい時間帯
夜行性動物は、日が暮れてから明け方まで活動しますが、ずっと同じように動いているわけではありません。
特に動きが出やすいのは、日没直後と明け方前後です。
タヌキやキツネ、ノウサギなどの哺乳類は、日が落ちて周囲が暗くなると動き始めることが多く、林道や草地で見つけやすくなることがあります。
カエルや昆虫は、気温や湿度の影響も受けます。
特に暖かく湿度の高い夜や、雨上がりは活動が目立つことがあります。
一方で、季節や天候、場所によって活動時間は変わります。
「何時なら必ず見られる」というものではないので、狙う動物に合わせて時間帯を変えて探すのがおすすめです。
夜行性動物の見つけ方

夜行性動物を探す方法は、狙う生き物によって変わります。
タヌキやキツネなどの中型以上の動物と、カエルや昆虫のような小さな生き物では、同じ探し方ではなかなか見つかりません。
私の場合、大きな動物は車、小さな生き物は徒歩で探すことが多いです。
大きな動物は車から見つけやすいこともある
夜の森というと、ライトを持って歩き回るイメージがあるかもしれません。
ただ、実際に観察していると、タヌキやキツネ、シカ、カモシカなどは、通行できる林道や山道を車でゆっくり走っているときの方が見つけやすいことがあります。
徒歩では人の足音や気配に先に気づかれてしまうことがありますが、車から探していると道路脇に出ている動物を見つけられることがあります。
夜はライトに目が反射するため、暗い場所でも動物の存在に気づくきっかけになります。
ただし、夜の山道では動物が突然飛び出してくることがあります。
スピードを出さず、いつでも止まれるように走ることが大切です。動物を見つけても追いかけたり、交通の邪魔になる場所で無理に停車したりしないようにしましょう。
ライトで目の反射を探す

夜の野生動物を探すときは、ライトに反射する目が見つける手がかりになることがあります。
野生動物の調査でも、夜間にライトを使って動物を探す「ライトセンサス」という方法があります。
私も夜の林道では、道路脇や林の縁に目のような光が見えないか確認することがあります。
特にタヌキやキツネなどの哺乳類は、姿全体が見えなくても目の反射で存在に気づくことがあります。
ただし、動物を見つけるために強い光を長時間当て続けるのは避けましょう。
車から探す場合も、運転しながら周囲へライトを振り回すのではなく、安全を最優先にします。対向車や民家、私有地などへ光を向けないことも大切です。
カエルや昆虫などは歩いて探す

カエルやヤモリ、昆虫などの小さな生き物は、車よりも歩いて探した方が見つけやすくなります。
特に、水辺、湿った地面、道路脇、草むら、街灯の周辺、樹液が出ている木などは夜に生き物が集まりやすい場所です。
雨上がりの夜はカエルが道路や地面に出ていることがあり、夏は街灯や樹液木でクワガタやガなどの昆虫を見つけることがあります。
小さな生き物は足元にいることも多いので、遠くばかりを見るのではなく、地面や壁、葉の上などもゆっくり確認します。
ただし、夜はマムシなどのヘビが足元にいる可能性もあります。
草むらへむやみに入らず、ライトで足元を確認しながら歩くことが大切です。
哺乳類観察では赤いライトを使うこともある

哺乳類を観察するときは、赤いライトを使うことがあります。
白い強いライトは動物を驚かせやすく、強い刺激になることがあります。そのため、できるだけ動物への負担を減らしたいときに、赤いライトを使うことがあります。
専用の赤色ライトがなくても、普通のライトに赤いフィルムを巻いて代用できます。
実際に私自身、夜の林道を車で走りながらカモシカなどを探すときは、赤いライトを使うことがあります。
ただし、赤いライトなら動物にまったく影響がないというわけではありません。長時間照らし続けたり、近づきすぎたりするのは避けるべきです。
また、赤いライトは足元が見えにくくなることもあるため、安全確認には通常のライトも必要になります。
音や気配から夜行性動物を探す
夜の森では、姿を見る前に音や気配で動物の存在に気づくことがあります。
枝が折れる音、落ち葉を踏む音、草むらが揺れる音、鳴き声などは大きな手がかりです。
私も夜の森では、先に音が聞こえてからライトを向けて動物を見つけることがあります。
フクロウやヨタカなどの鳥は鳴き声から気づくことが多く、タヌキやキツネなどの哺乳類も、移動する音で存在が分かることがあります。
夜は視界が限られるため、目だけで探すより、周囲の音を聞きながらゆっくり進む方が見つけやすくなります。
ただし、音がした方向へむやみに近づくのは避けましょう。大型動物や危険な動物がいる可能性もあります。
自動撮影カメラで夜行性動物を記録する

夜行性動物を探す方法として、自動撮影カメラを使うのも有効です。
人がその場にいなくても、動物が前を通ると自動で撮影できるため、夜にどんな動物が活動しているのか確認できます。
特に、獣道や林の縁、水辺の近くなど、動物が通りそうな場所に設置すると記録しやすくなります。
実際に自分で歩いて探すのとは違い、何日か設置しておくことで、人がいない時間帯の動物の行動も分かります。
ただし、設置する場所には注意が必要です。
私有地や管理地へ無断で設置せず、野生動物の巣やねぐらの近くなど、行動を妨げる場所も避けましょう。
夜の動物観察で注意したい危険
夜の野生動物観察では、生き物を探すこと以上に安全を優先する必要があります。
昼間より視界が悪く、動物だけでなく足元や道路状況にも注意が必要です。
特に気をつけたいのは次のような点です。
- クマやイノシシ:夜間に遭遇する可能性があります。物音がしたからといって無理に近づかないようにします。
- マムシなどのヘビ:暖かい時期は夜にも活動します。草むらや水辺では足元をよく確認しましょう。
- 転倒や滑落:暗い森では段差や側溝、崖などが見えにくくなります。
- 道迷い:昼間は分かりやすい道でも、夜になると景色が大きく変わります。
- 車との接触:道路脇で観察する場合は、動物だけでなく周囲の車にも注意が必要です。
また、動物を見つけても追いかけたり、強いライトを長時間当てたりしないようにします。
夜の森では「もう少し近くで見たい」と思うこともありますが、安全な距離を保って静かに観察することが大切です。
初めて行く場所では、できれば昼間のうちに道や周囲の状況を確認しておくと安心です。
実際に夜の森を観察して感じたこと

実際に夜の森や林道で生き物を探していると、狙う動物によって探し方を変えた方が見つけやすいと感じます。
タヌキやキツネ、ノウサギなどの比較的大きな動物は、林道や山道を車でゆっくり移動していると見つかることがあります。
一方で、カエルやクワガタ、ガなどの小さな生き物は、車では気づかないことが多く、歩いて探した方が見つけやすいです。
夜は昼間とは見える生き物が大きく変わります。
昼間には何もいないように見えた場所でも、暗くなってから歩いてみると、思っていた以上に多くの生き物が活動していることがあります。
私の場合は、大きな動物は車、小さな生き物は徒歩という探し方を基本にしています。
まとめ
日本には、キツネやタヌキ、ノウサギ、ムササビ、フクロウなど、夜を中心に活動する動物がたくさんいます。
夜行性動物を探すときは、狙う生き物によって場所や探し方を変えることが大切です。
大きな動物は林道や山道、小さな生き物は水辺や街灯、樹液木などを探すと見つけやすくなります。
ただし、夜の森は昼間より危険も多くなります。
無理に動物へ近づかず、安全を優先しながら観察してみてください。

