冬になると、それまで田んぼや庭で見かけていたカエルの姿がほとんど見えなくなります。
「カエルも冬眠するの?」
「冬はどこにいる?」
「池の底?それとも土の中?」
と気になる人もいるでしょう。
結論からいうと、本州など冬の気温が低くなる地域では、多くのカエルが冬眠して冬を越します。
ただし、冬を過ごす場所は種類によって違います。
土の中に潜るカエルもいれば、落ち葉の下や木のうろ、水中などを利用するカエルもいます。
さらに沖縄や奄美などでは、本州ならカエルをほとんど見なくなる冬に活動・繁殖する種類もいます。
この記事では、カエルが冬眠する時期や場所、種類による冬越しの違いを紹介します。
カエルは冬眠する?

日本に生息するカエルの多くは、寒くなると冬眠します。
カエルは周囲の温度によって体温が変化する変温動物です。
気温が下がると体温も低下し、活動が大きく鈍くなります。
北海道に生息するエゾアカガエルなども、冬期には冬眠して寒い季節を過ごします。
ただし、日本全国のカエルが同じように冬を過ごしているわけではありません。
種類だけでなく、北海道、本州、沖縄や奄美など、暮らしている地域の気候によっても冬の過ごし方は変わります。

カエルはいつから冬眠する?
カエルが冬眠に入る時期は、種類や地域、その年の気温によって変わります。
「11月になったら、すべてのカエルが一斉に冬眠する」というものではありません。
本州などでは、秋が深まって気温が下がるにつれて活動する姿が少なくなり、晩秋から冬になるとほとんど見かけなくなります。
トウキョウダルマガエルなどでも、寒い時期に土中で越冬することが確認されています。
一方、南西諸島には冬に繁殖するカエルもいます。
そのため、カエルの冬眠は「何月から」と全国一律には決められず、種類や地域、気温によって変わります。
カエルは冬どこにいる?

カエルの冬越し場所は種類によって違います。
主に利用されるのは、
- 土の中
- 落ち葉や枯草の下
- 木のうろ
- 石の下
- 水中や沢
などです。
「カエルは冬になると全部池の底に潜る」と思われることもありますが、すべてのカエルが水中で冬を越すわけではありません。
土の中で冬眠するカエル
トウキョウダルマガエルでは、田んぼ周辺の畑地などの土中で越冬している個体が確認されています。
春になって気温や地温が上がると、再び地上へ出て活動を始めます。
アズマヒキガエルも、冬期には土中へ潜って冬眠します。
地中は地表より急激な温度変化を受けにくく、寒い時期を過ごす場所として利用されます。
落ち葉の下や木のうろで冬眠するカエル
東日本に分布するヒガシニホンアマガエルでは、従来「ニホンアマガエル」として扱われていた個体群を含め、落ち葉や枯草の下、木のうろなどで越冬することが知られています。
これまで日本のアマガエルは広く「ニホンアマガエル」と呼ばれてきましたが、近畿地方以東の個体群はヒガシニホンアマガエルとして別種に分けられています。
私の家でも、春から秋になると窓の周辺にアマガエルがよく現れますが、冬になるとほとんど姿を見なくなります。
身近な場所でも、季節による活動の違いを感じることができます。

水中で冬を越すカエルもいる
カエルの中には、水中を冬の居場所として利用する種類もいます。
ニホンアカガエルやヤマアカガエルなどのアカガエル類では、地面の下だけでなく水中で越冬することも知られています。
私自身、冬にサンショウウオを探して沢の水中を観察していたとき、ナガレタゴガエルを見つけたことがあります。
ナガレタゴガエルは晩秋になると渓流へ移動し、水中の石の下などで冬を越すことがあります。
冬のカエルというと「土の中で眠っている」というイメージがありますが、実際には水の中で見つかる種類もいます。
そのため、
「カエルは土の中で冬眠する」
とも、
「カエルは池の底で冬眠する」
とも一括りにはできません。
種類や生息環境によって、冬を過ごす場所は違います。
なぜカエルは冬眠するの?
大きく関係しているのが気温です。
カエルは変温動物なので、外気温が下がると体温も低くなり、活動が大きく鈍くなります。
寒い時期には活動を抑えた状態で冬を越し、気温が上がる季節を待ちます。
身近なカエルはどうやって冬を越す?
ヒガシニホンアマガエル

東日本で身近に見られるアマガエルです。
暖かい時期には田んぼや草地、庭、住宅周辺などでもよく見かけますが、冬になると落ち葉や枯草の下、木のうろなどで冬を越します。
私の家でも春から秋には窓に張り付いている姿をよく見ますが、冬にはほとんど見かけません。
アズマヒキガエル

アズマヒキガエルも冬眠します。
普段は森林や農耕地、庭など陸上で過ごすことが多く、冬には土中へ潜って冬を越します。
私の家でも玄関先にアズマヒキガエルが現れたことがあります。
カエルというと水辺のイメージがありますが、繁殖期以外は水辺から離れた場所でも見られるカエルです。
トウキョウダルマガエル

関東地方などの水田で見られるトウキョウダルマガエルも冬眠します。
土中で越冬することが確認されており、春に暖かくなると再び地上へ出て活動を始めます。
夏の田んぼではよく見かけるのに、冬になるとほとんど姿を見なくなるカエルのひとつです。
ニホンアカガエル
ニホンアカガエルは少し変わった冬の過ごし方をします。
地域による違いはありますが、まだ寒い時期に冬眠から目覚め、繁殖のため水辺へ集まります。
地域によっては1月頃から繁殖が始まることもあります。
さらに面白いのが繁殖後です。
そのまま春まで活動し続けるのではなく、暖かくなるまで再び休眠することがあります。
この繁殖後の休眠は「春眠」と呼ばれています。
そのため、
「冬眠したカエルは春まで一度も起きない」
とは限りません。
冬でもカエルが出てくることはある?
あります。
ニホンアカガエルのように、まだ寒い時期に冬眠から目覚めて繁殖するカエルがいます。
ナガレタゴガエルのように、冬の沢の水中で見つかる種類もいます。
さらに、日本の南へ行くと冬の様子は大きく変わります。
沖縄や奄美では、本州ならカエルをほとんど見なくなる時期にも活動している種類がいます。
つまり、
「冬=カエルはいない」
とは言い切れません。
沖縄や奄美では冬でも活動するカエルがいる

沖縄や奄美など南西諸島には、冬でも活動・繁殖するカエルがいます。
ただし、
「南の島にいるカエルはすべて冬眠しない」
とまでは言い切れません。
種類によって冬の過ごし方が違うからです。
一方で、冬に繁殖する種類が複数いることは確認されています。
例えば沖縄本島に生息するオキナワイシカワガエルやリュウキュウアカガエルは、冬が繁殖期に重なります。
奄美大島でも、アマミアカガエルは秋から春、アマミイシカワガエルも冬から春にかけて繁殖します。
本州では「冬はカエルを見ない」という感覚になりやすいですが、日本全体で見るとそうではありません。
カエルの冬の過ごし方は、種類だけでなく地域の気候によっても大きく変わります。
冬眠しているカエルを見つけたら?
冬に落ち葉や石などを動かしたとき、冬眠しているカエルを偶然見つけることがあります。
見つけても無理に起こしたり、暖かい室内へ移したりせず、そのまま観察する程度にしておきましょう。
落ち葉や石などを動かした場合は、できるだけ元の状態に戻します。
冬眠しているカエルを探すために土を掘ったり、越冬場所を大きく壊したりするのも避けたいところです。
まとめ|カエルの冬越し方法は種類や地域で違う
本州など冬の気温が低くなる地域では、多くのカエルが冬眠します。
ただし、冬を過ごす場所は種類によって違います。
トウキョウダルマガエルやアズマヒキガエルでは土中、ヒガシニホンアマガエルでは落ち葉や枯草の下、木のうろなどが利用されます。
アカガエル類やナガレタゴガエルのように、水中を越冬場所として利用するカエルもいます。
また、ニホンアカガエルのように冬眠の途中で目覚めて繁殖し、その後再び休眠する種類もいます。
さらに沖縄や奄美には、冬に繁殖期を迎えるカエルも生息しています。
そのため、
カエルは寒い地域では多くが冬眠するものの、種類や地域によって冬の過ごし方は違う
と考えるのが最も正確です。

